スウェーデンをお手本にした予防法でむし歯を抑える!歯に良い6つの習慣
こんにちは。
武蔵関の歯科「島野デンタルオフィス」です。
スウェーデンといえば、おしゃれな北欧家具や雑貨をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、予防歯科の先進国であることをご存知ですか。
スウェーデンの人たちは、いったい何をして歯の健康を手に入れることに成功したのでしょうか?
聞くところによると、スウェーデンではむし歯予防のために「歯に良い6つの習慣」を実践しているのだといいます。
そのコツを毎日の生活に取り入れて、むし歯ゼロを目指してみませんか?
スウェーデンをお手本にするむし歯予防法についてご紹介します。
スウェーデンがむし歯予防で有名になった背景
スウェーデンは、もともと日本よりもかなりむし歯の多い国でしたが、1970年から、国家戦略として「むし歯と歯周病の予防」が実施されました。
この時に尽力した、イエテボリ大学のペール・アクセルソン博士は「予防の父」と呼ばれています。
博士は「根拠のあるデータ」を元にする「エビデンスベーストの歯科治療」を提唱、実施しました。
そうして、スウェーデンが国を挙げて「むし歯予防」に取り組んだ結果、子どものむし歯は日本の1/10以下になりました。
それからは日本でも予防歯科の大切さが知られるようになりましたが、スウェーデンほどまでには改善されていません。
スウェーデンをお手本した予防歯科は「スウェーデン式」と呼ばれることもあります。
参考:日本スウェーデン歯科学会「予防大国/歯科先進国スウェーデン」
スウェーデンをお手本にするむし歯予防法のポイント
スウェーデンの歯科治療は、むし歯や歯周病になる前に行う予防に重点を置いています。
普段から予防ケアをする姿勢が、むし歯を減らす成果につながっています。
日頃の歯磨きはもちろん、お掃除グッズも歯ブラシだけではありません。
また、フッ素だけではなく、キシリトールも適宜取り入れることが特徴です。
「むし歯の予防ケアにかける手間が、一般的な日本の習慣より少し多い」といったところです。
マネできるところはマネしてみましょう。
スウェーデンをお手本にするむし歯予防法6つ
日本と違い、スウェーデンではどのようなところでむし歯予防の手間をかけているのでしょうか。
スウェーデンをお手本とするむし歯予防法6つを順番にご紹介します。
(1)お掃除グッズをプラス
実は、歯ブラシだけでは歯の汚れは6割程度しか取れません。
そこで、スウェーデンでは、むし歯予防のためにお手入れグッズを追加しています。
むし歯になりやすい歯と歯ぐきの間には「デンタルフロス」、歯と歯の隙間には「歯間ブラシ」、歯ブラシが届きにくい奥歯には毛束がひとまとまりになった「ワンタフトブラシ」を使用して取り除きましょう。
お部屋のお掃除を思い出してください。狭い場所、高くて手が届かない場所にはどんなお掃除グッズを使いますか?
歯もお部屋のお掃除と同じで、適切なお手入れグッズを選んで、歯のスキマの汚れを取り除きます。
(2) 寝る前の歯磨きを念入りに
スウェーデン式のむし歯予防では、寝る前の歯磨きを特に重要視しています。
食後の歯磨きも大切ですが、寝ている間は唾液の分泌が少なくなり乾燥するので、むし歯菌や歯周病菌の活動が活発になります。
特に就寝前は念入りに歯を磨いて、お口の中の細菌を減らすことが大切です。
(3)フッ素の力で歯をガード
フッ素には、歯を強くしたり、むし歯菌の働きを弱めたり、むし歯の発生を防ぐ効果があります。
フッ素が入った歯磨き粉で歯を磨く習慣をつけましょう。
自宅で使えるフッ素より、歯科医院で使うフッ素のほうが濃度が濃いフッ素です。
定期検診やクリーニングの際にフッ素塗布を相談してみるのもアリです。
(4)キシリトールでプラークを抑制
参考資料によると、キシリトールにはプラーク抑制効果が認められます。
参考:キシリトール含有ガム摂取によるプラーク形成および唾液成分に及ぼす影響(J-STAGE)
そのため、食後にキシリトールガムやタブレットを噛むことをおすすめします
また、キシリトールは天然由来の甘味料としても注目されており、砂糖が多い甘いおやつの代わりに、キシリトール入りのお菓子を選ぶこともむし歯予防につながります。
ただし、いくらキシリトールが配合されているからといっておやつの食べ過ぎには気を付けてください。
キシリトールは一度にたくさん摂取すると、腸内の水分を吸収し、おなかが緩くなってしまうこともあります。
日本では、キシリトールは患者さんが置かれた状況によって使用を薦めることもあります。
ご自分の体質に合わせて摂取してください。
キシリトールはあくまで補助として使うものであり、キシリトールだけでむし歯を予防することは難しいといえます。
(5)0歳からの歯磨き
実は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口にはむし歯菌はいません。大抵、周りの大人やきょうだいからむし歯菌をもらってきます。
むし歯菌になりにくいお口の状態を、できるだけ長くキープしたいですよね。
赤ちゃんが成長した時に歯磨きが気持ちよくできるように、まだ歯の生えていない赤ちゃんのときから、授乳後に歯ブラシをお口の中にいれて慣らしていくことが大切です。
乳歯が生えても歯ブラシに慣れているので、食後の歯磨きがスムーズ行うことが可能です。
(6)定期検診でプロのケアを
多くの人が、むし歯がなくても定期的に歯科医院を訪れています。
目的はセルフケアでは落とし切れない汚れを専用の器具を使用して、取り除いてもらうことです。また、むし歯や歯周病の早期発見にもつながります。
スウェーデンでは80歳で何本歯がある?日本との比較
日本歯科医師会が推進している8020運動(80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという運動)ですが、スウェーデンではすでに達成しており、80歳の平均残存歯数は21本です。
日本は80歳の平均残存歯数は17本、また、80歳で自分の歯が20本以上ある達成率は51.2%(2016年厚生労働省 歯科疾患実態調査)です。
80歳になったときに20本の歯が残っている人の数は、スウェーデンと比べると少ないということになります。
日本では痛くなってから治療を行うと考えている方も多いと思いますが、スウェーデンではむし歯になってから歯医者に行くのではなく、むし歯を予防するために歯医者に通います。
歯がなくなっても入れ歯を入れることはできますが、使い心地やメンテナンスの問題もあるため、年を重ねてからも自分の歯で食事したいものです。
そのためには、できるだけ若いうちから自分の歯のケアについて意識しておきたいですね。
もちろん60歳以上になってからも、今まで以上に歯のケアに関心を持つことは大切です。
国によってはフッ素の使用が禁止されているのはなぜ?
一部の国や地域では、フッ素の使用が禁止されています。フッ素にも、過剰摂取による中毒があるためです。
しかし、フッ素は容量を守って使えば、特別からだに害があるものではありませんのでご安心ください。
厚生労働省のサイト(e-ヘルスネット)「フッ化物の急性中毒量」によると
- 推定中毒量(治療や入院などの処置を必要とする量)5mgF-/kg(体重)
- 命に差し障りがある最小量(フッ化ナトリウムの死亡最低既知量)71~74mgNaF/Kg(体重)
と、されています。
推定中毒量は、体重18kgの5歳児が、フッ化物洗口液(0.05%フッ化ナトリウム溶液)を一度に40人分飲んでしまった場合に到達するとされています。
体重が軽ければ、もっと少ない量で中毒になってしまうことがありますが、意図的に大量摂取をしない限りはここまでの量にはなりません。
小さなお子さんと一緒にお住まいの方は、お子さんの手が届かないところでフッ化物を保管することが大切です。
適切な予防方法を選択してむし歯を予防しましょう
今回は、スウェーデンをお手本にするむし歯予防についてご紹介いたしました。
スウェーデンのむし歯予防は、むし歯予防にかける手間が日本より少し多いことが特徴です。
予防歯科は0歳から始められますし、入れ歯を入れてからでも定期検診を通してお口の観察を続けていくことが大切です。
年代を問わず、生涯にわたり予防歯科は受診できます。
島野デンタルオフィスでは患者さんのお口に合った歯磨き方法の指導を行っていますので、お気軽にご相談ください。
皆様のご来院をお待ちしています。
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